『ダンス・ダンス・ダンス』に出てきた本
村上春樹の本『ダンス・ダンス・ダンス』に出てきた本。
ジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』
『ダンス・ダンス・ダンス』の「僕」が訪れた北海道の空は今にも雪が降りそうで、その空に浮かんだ雲はぴくりとも動かず、『ガリバー旅行記』に出てくる空に浮かぶ国みたいに都市の頭上を重く覆っていた。
ジャック・ロンドンの伝記
『ダンス・ダンス・ダンス』の「僕」が函館の駅近くの書店で買った本。
その「僕」は言う。
「ジャック・ロンドンの波瀾万丈の生涯に比べれば、僕の人生なんて樫の木のてっぺんのほらで胡桃を枕にうとうとと春をまっているリスみたいに平穏そのものに見えた」
ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』
天候の回復を待ちながら、北海道の空港にあるコーヒー・ショップで『ダンス・ダンス・ダンス』の「僕」が読んでいた本。「僕」いわく
「フォークナーとフィリップ・K・ディックの小説は神経がある種のくたびれかたをしているときに読むと、とても上手く理解できる」
エド・マクベイン『87分署』
『ダンス・ダンス・ダンス』の「僕」が十年くらい前からそんなもの読むのはやめようと思っていながら、新刊が出るとつい買ってしまう本。
フランツ・カフカ『審判』
赤坂署の刑事「漁師」と「文学」から取り調べを受ける前夜に『ダンス・ダンス・ダンス』の「僕」が読んでいた本。
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』
『ダンス・ダンス・ダンス』のアメに食事を一緒にしていかないかと誘われ、「僕」はいつも断った。「僕」は言う、
「『不思議の国のアリス』に出てくる気違い帽子屋のお茶会の方がずっとましだ」
ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』
『ダンス・ダンス・ダンス』の「僕」の学生時代にあった林間学校の昼寝の時間。
「僕」は天井を見ながら『鏡の国のアリス』みたいな世界を想像していた。