薄毛の悩みを少しは改善できる?育毛しても読みたい村上春樹の3冊の本
2015年春。
小説家の村上春樹(66歳)が、読者との期間限定交流サイト「村上さんのところ」でこういう呼びかけをしていました。
【呼びかけ】
全国の未婚の女性のみなさん、髪の薄い男の人たちに対してもっと寛容になってあげてください。僕からもよろしくお願いします。髪が薄くて女性にふられたという人たちから、けっこうたくさんのメールがここに寄せられています。髪の量なんてそんなたいした問題じゃないですよ。人柄が大事です。幸福になるのがいちばんです。そうじゃありませんか?
なぜ、薄毛についてそんな発言をしたのか?
実は、村上春樹って薄毛に対して一家言を持っている人なんです。
今のところ、育毛や増毛や植毛はせず自前の髪の毛で生活を送っているようだけれど、30代のはじめと、40代のはじめの2度、髪の毛が景気良く抜けた時期もあったんだとか。
かれこれ30年近くも昔、村上春樹がかつらメーカーのアデランスに取材に訪れたことがあって、それが薄毛との最初の出会いになります。
その詳細は『日出る国の工場』というエッセイに収められた「とことん明るい福音製産工場」という項に載っています。
どんな話か簡単にいうと、かつらのこと(主にメーカー目線)、かつらを使う薄毛の人のトレビア、かつらを作る工程、など。
その約10年後、エッセイ『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』に「抜け毛の問題」という話が掲載され、ふたたび薄毛について触れています。
そこで語られているのは、村上春樹自身に訪れた2度の薄毛体験と、その出来事を本人がどう捉えたのかについて。
「なるほど!」
と、はたと膝を打ちたくなる気持ちになるかもしれません。
そして、村上春樹の最高傑作との呼び声もある長編小説『ねじまき鳥クロニクル』。
この本は3部構成になっていて、その第1部である『ねじまき鳥クロニクル 泥棒かささぎ編』の「電気の絶対的な不足と暗渠、かつらについての笠原メイの考察」にその話はあります。
登場人物のある女の子が語る、薄毛のこと、かつらのこと(主にユーザー目線)。
ここに挙げた3冊の本には、薄毛を具体的に治療する方法は載っていません。
もちろん、育毛や増毛や植毛のこと、シャンプーやサプリメントや費用についても述べられていない。
けれど、薄毛の悩みを少しは治療できる、改善できる方法なら載っているのかもしれません。治療というのは少し大げさかもしれないけれど。