中島らも『啓蒙かまぼこ新聞』のための村上春樹「中島らもとニュー・ウェストの抬頭」
女優・杏のエッセイ『杏のふむふむ』の解説を村上春樹が書いている。
そんなニュースがネット上に流れていました。
確かに、杏さんと村上春樹という組み合わせは意外性があるから、ちょっとしたニュースとしては面白そうですよね。
そこで、こんな疑問が。
杏と村上春樹のどこに接点があるのか?
個人的な推測として、指揮者の小澤征爾さんの娘である小澤征良さんが関係している、と僕は踏んでいます。小澤征良さんは、杏さんとも、村上春樹とも面識があるそうなので。
それはそれとして、随分と昔、村上春樹がある本に好意的な文章を寄せているのをご存知ですか?
本の作者は中島らも、本のタイトルは『啓蒙かまぼこ新聞』。
『啓蒙かまぼこ新聞』はある雑誌に掲載されていた広告を集めた本で、具体的には以下の3項目から構成されています。言葉で説明してもうまく伝わらないと思うので、興味があったら図書館で借りてみてください。
- 微笑家族
- 啓蒙かまぼこ新聞
- 人格崩壊講座
では、中島らもと村上春樹の間にはいったいどんな接点があったのか?
村上春樹が本書に寄せた文章「中島らもとニュー・ウェストの抬頭」を読めばわかるんだけど、実は中島らもと村上春樹には面識がないんです。
それでも村上春樹は中島らものためにがんばって文章を書いている。それもギリシャへの渡航を直前にした忙しい時期に(その後、ギリシャで長編小説『ノルウェイの森』を執筆)。
つまり、『啓蒙かまぼこ新聞』にはそれだけの価値がある!