シングルモルトウイスキーの聖地
- ワイルド・ターキー × 2本
- カティー・サーク
- I・W・ハーパー × 3本
- ジャック・ダニエルズ × 2本
- フォア・ローゼズ
- ヘイグ
- シーヴァス・リーガル × 半ダース
これは村上春樹の長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に登場する大男が割ったウイスキーの瓶のリスト。
その大男の従兄にあたる小男は「ここにいるだけで酔払っちまうね」と感心したように言います。
このシーンを読んでいる読者の頭ん中だってウイスキーの香りがぷんぷんして、胃がきゅーっと収縮するような感覚さえあるかもしれないですね。
その『世界の終りとハードボイルド・・・』から多少の年月を経て書かれた『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』。この本はスコットランドとアイルランドが舞台のウイスキーにまつわる村上春樹の旅行記。
ちょっとした豆知識も載っていたりします。
いわゆるスコッチ・ウイスキーは、発芽した大麦のみから造られた「シングルモルト」と、それ以外の穀物を蒸留した「グレイン」をブレンドして作られる。アイラ島(シングルモルトウイスキーの聖地)で生産されるのはシングルモルトがほとんど。
この本にはボウモア蒸留所のマネージャーであるジム・マッキュエンさんという人が登場します。
もしジムさんが『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んだら、少し悲しい顔色を浮かべて村上春樹にこう尋ねるかもしれないですね。
「ねえ、ミスタームラカミ、なぜこの大男はウイスキーを割っているんだい?」
※写真は村上春樹がアイラ島にある小さなパブのカウンターで飲み比べをしたウイスキーです。
- アードベッグ(20年、1979年蒸留)
- ラガヴリン(16年)
- ラフロイグ(15年)
- カリラ(15年)
- ボウモア(15年)
- ブルイックラディー(10年)
- ブナハーヴン(12年)