小澤征爾80歳記念キャンペーンに寄せられた、村上春樹からのメッセージ
村上春樹に関するニュースは、TwitterやFacebookを通じて瞬く間に拡散することもあれば、そもそも報道機関の誰にも見向きもされず黙殺されて終わることもある。
例えば・・・・・
2014年の夏、村上春樹はドイツの新聞紙DIE WELTによる文学賞ウェルト文学賞を日本人の作家として初めて受賞した。このニュースは新聞各紙と複数のネットメディアで取り上げられ、テレビでも報道された。
その時に伝えられた情報を簡単にまとめると、
- ウェルト文学賞の受賞者には後にノーベル賞を受賞した作家もいる
- 受賞スピーチで村上春樹は壁のない世界について語った
まぁ、そんなところだった。
一方で、その前後に東京で行われたDIE WELTによる村上春樹のインタビューについては、新聞もネットメディアもテレビも、誰も何も言わなかった。まるで報道規制でもされているみたいに。
例えば・・・・・
2014年11月、ミュージシャンのスガシカオのツアー最終日があって、オープニング曲を村上春樹の長編『アフターダーク』の作品中にも流れる音楽『バクダン・ジュース』が飾った。
なぜ1曲目が『バクダン・ジュース』だったのか?
それは、たぶん、その日のコンサートに村上春樹がオーディエンスの一人として訪れていたから。
スガシカオ本人も「言葉の師匠と思っているあの方が来てくれて、免許皆伝的な意味を感じながら歌った。」と、嬉しそうにTwitterでつぶやいているし。
ただ、この件についても、新聞もネットメディアもテレビもだんまりを決め込んだ。
『意味がなければスイングはない』の中で「スガシカオの柔らかなカオス」という章を割いている訳だし、記事の一つくらいあってもいいと思うんだけど。
そんな訳で・・・・・
2015年に80歳を迎える小澤征爾さん(小澤征爾80歳記念キャンペーン)へ、村上春樹が「いつまでも動き続けてください」というメッセージを寄せたことも、当然のごとく知らんぷりされている。
著書『小澤征爾さんと音楽について話をする』の中で、小澤征爾さんと村上春樹がクラシック音楽について超マニアックな対談をしているのにね。