村上春樹新聞

『1Q84』をもっと楽しんで読めるかもしれない映画について

この映画を見ておくと『1Q84』をもっと楽しんで読めるかもしれない、『1Q84』に出てきた何本かの映画について。

スタンリー・キューブリック監督『突撃』

マイケル・ダグラスのお父さんであるカーク・ダグラス主演した戦争映画。
カーク・ダグラスといえば、『ダンス・ダンス・ダンス』の「僕」が物語の中でこんなことを言っています。 「・・・奴隷になっても彼は感じの良さを微塵も失わない。その辺がチャールトン・ヘストンやらカーク・ダグラスなんかと違う。白い歯を見せてにっこりと笑い優雅に小便をする」

アーサー・ヒラー監督『ラ・マンチャの男』

スペインの作家、セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』をもとにしたミュージカル。
主演は『アラビアのロレンス』で知られる俳優、ピーター・オトゥール。
日本では松本幸四郎による公演が何年も続けられている舞台でもある。

スタンリー・クレイマー監督『渚にて』

グレゴリー・ペック主演の映画。
『1Q84』の青豆は一人でこの映画を見ながら、「なるほど、睾丸を思い切り蹴られるというのは、こういう感じの心持ちなのか」と推測し、納得する。

ロバート・ワイズ監督『サウンド・オブ・ミュージック』

アカデミー賞5部門を獲得したミュージカル映画の名作。

黒澤明監督『蜘蛛の巣城』

シェイクスピアの『マクベス』を黒澤明が日本の戦国時代に舞台を移して撮った映画。
主演は三船敏郎。

黒澤明監督『隠し砦の三悪人』

『1Q84』の天吾の不倫相手が、天吾の胸を見て、触って、思い出す黒澤映画のひとつ。
主演は『蜘蛛の巣城』とおなじ三船敏郎。

サム・ペキンパー監督『ゲッタウェイ』

スティーブ・マックイーンとアリ・マッグローが共演したアクション・ムービー。

ジョージ・ロイ・ヒル監督『スティング』

映画『明日に向って撃て!』のポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが詐欺師を演じる物語。
その昔、村上春樹はトルコを旅行中に『スティング』を思わせる絨毯屋にあったんだとか。詳細はエッセイ『雨天炎天 チャイと兵隊と羊-21日間トルコ一周』に載っています。

デヴィッド・ハンド監督『白雪姫と七人のコビトたち』

『1Q84』のふかえりと天吾が書いた物語『空気さなぎ』。
その中に描かれている少女がリトル・ピープルを見た時に思い出した物語『白雪姫と七人のコビトたち』。

リチャード・フライシャー監督『ミクロの決死圏』

『1Q84』の青豆がテレビで見た古いSF映画。青豆曰く、
「科学者たちが自らの身体を顕微鏡でしか見えないところまで縮小し、潜水艇のような乗り物(それも同じく縮小されている)に乗り込んで患者の血管の中に入り、血管を通って脳の中に入り、通常では不可能な複雑な外科手術をおこなおうとする話」

ノーマン・ジュイソン監督『華麗なる賭け』

スティーブ・マックイーン主演の映画。
『1Q84』の青豆が乗ったタクシーの運転手によると、
「フェイ・ダナウェイが保険会社の調査員をしているんですよ。盗難保険のスペシャリストです。それでマックイーンが大金持ちで、趣味で犯罪をやっている。面白い映画だった。高校生のときに見ましたよ。あの音楽が好きだったな。しゃれていて」
とのこと。
音楽はミシェル・ルグラン。

ヴィクター・フレミング監督『風と共に去りぬ』

南北戦争の頃のアメリカを舞台にした、ヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブル主演の長編大作映画。

ウィリアム・ワイラー監督『コレクター』

『映画をめぐる冒険』の中で、村上春樹がコメントも寄せているテレンス・スタンプとサマンサ・エッガー主演の映画。
で、何とコメントしていたか?
すいません、覚えていません。思い出したら追記しておきます。

スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の計算士の「私」もヴィデオで持っているSF映画の傑作。

村上春樹の長編小説に出てきた映画