ブライアン・アダムス『死ぬまで18歳』
走るエッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』の中で語られたエピソード。
トライアスロンに励む村上春樹の自転車に刻まれた言葉は、ブライアン・アダムスの音楽『18 til I Die(死ぬまで18歳)』から拝借したものなんだとか。
僕の乗っている自転車はパナソニックのチタン製のスポーツ・バイク。羽のように軽い。もうこれで七年くらい同じものを使っている。ギアチェンジの操作も身体機能の一部みたいになっている。優れた機械だ。少なくとも乗り手よりは機械の方が優秀だろう。ずいぶんタフに乗っているのだが、トラブルらしいトラブルは一度も経験していない。この自転車でこれまでに四度のトライアスロン・レースを体験している。車体には「18 'til i die」と書いてある。ブライアン・アダムズのヒット・ソング『死ぬまで18歳』のタイトルを借用した。もちろんジョークだ。死ぬまで十八歳でいるためには十八歳で死ぬしかない。
『走ることについて語るときに僕の語ること』より
ブライアン・アダムス(Bryan Adams)
カナダ出身のミュージシャン。
『18 til I Die(死ぬまで18歳)』を収録した1996年発表のアルバム『18 'til i die』は全英で1位を獲得。
また、このアルバムには他に『(I Wanna Be Your) Underwear(僕は君の下着になりたい)』という曲も収録されている。
その歌詞の内容は
「僕は君の寝床のシーツになりたい/
僕は君が毛を剃る剃刀になりたい/
僕は君が蹴飛ばすハイヒールになりたい/
僕は君がなめる口紅になりたい/
僕は君のアンダーウェアになりたい・・・・・・」
というもので、これについての感想がエッセイ『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』にて述べられています。