『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』のあらすじとまとめ
『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』のあらすじとまとめ。
『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』のあらすじ
1981年4月のとても気持ちの良いある晴れた朝。
モーニング・サービスのコーヒーを飲むために原宿の裏通りを歩いていた「僕」は「僕」にとっての100パーセントの女の子と出会う。東から西へ歩く彼女と、西から東へ歩く「僕」。距離が近づき、花屋の店先ですれ違う・・・・何歩か歩いてから振り返った時、彼女の姿は人混みの中に消えていた。
「僕」は話しかけるべきであったのだ。その科白は「昔々」で始まり、「悲しい話しだと思いませんか」で終わる。昔々・・・・
小説の冒頭部分
四月のある晴れた朝、原宿の裏通りで僕は100パーセントの女の子とすれ違う。
たいして綺麗な女の子ではない。素敵な服を着ているわけでもない。髪の後ろの方には寝ぐせがついたままだし、歳だっておそらくもう三十に近いはずだ。しかし50メートルも先から僕にはちゃんとわかっていた。彼女は僕にとっての100パーセントの女の子なのだ。彼女の姿を目にした瞬間から僕の胸は不規則に震え、口の中は砂漠みたいにカラカラに乾いてしまう。
あるいはあなたには好みの女の子のタイプがあるかもしれない。例えば・・・・
登場人物
- 僕(32歳)
思いつくことはいつも実用的でない。 - 100パーセントの女の子(おそらく30歳に近い)
たいして綺麗ではない。 - 少年(18歳)
たいしてハンサムではない。
「この世の中のどこかには100パーセント自分にぴったりの少女がいるに違いない」と固く信んじている。
ある年の冬、悪性のインフルエンザにかかり、何週間も生死の境をさまよった末に、昔の記憶をすっかりなくしてしまう。 - 少女(16歳)
たいして綺麗ではない。
「この世の中のどこかには100パーセント自分にぴったりの少年がいるに違いない」と固く信んじている。
ある年の冬、悪性のインフルエンザにかかり、何週間も生死の境をさまよった末に、昔の記憶をすっかりなくしてしまう。
『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』で名前が挙がった有名人
- ウディ・アレン:アメリカの映画監督。
監督本人とダイアン・キートンが共演した映画『アニー・ホール』は村上春樹のお気に入りらしく、エッセイなどで時々紹介される。 - D・H・ロレンス:『チャタレイ夫人の恋人』を書いたイギリスの小説家。
作品の舞台
原宿
映画化
山川直人監督、室井滋出演により『100%女の子』として映画化されている。
絵
佐々木マキ
初出
「トレフル」1981年7月号
※伊勢丹の主催するサークルの会員に配布される雑誌(非売品)。
収録
- カンガルー日和(短編集)
- 村上春樹全作品1979~1989(5)短編集2
- 象の消滅 短篇選集1980-1991
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