『中国行きのスロウ・ボート』の主人公「僕」
『中国行きのスロウ・ボート』の主人公「僕」について。
経歴
- 1959年(または1960年)
少しばかり暖かすぎる秋の日曜日、港街の山の手にある中国人子弟のための小学校(中国人小学校)で模擬テストを受けた日、最初の中国人に出会う。 - 19歳、東京の大学に通う二年生の春、二人めの中国人に出会う。
- 28歳、青山通りに面した静かなガラス張りの喫茶店でコーヒーを注文し、買ったばかりの小説を読んでいた時、三人めの中国人に出会う(再会する)。
人物像・性格
- 戦後民主主義の時代に小学校に通学。
小学生の頃は、一人で電車に乗ってどこかに行くというようなタイプの子供ではなかった。 - 港街にある高校に通学。
- 東京にある大学に通学。下宿先は目白。
- 22歳の時に結婚。
- ちょっとした商売をしていて、借金を返済中。
- 死について考えると、なぜか中国人のことを思い出す。
- あたりかまわず誰とでも親しくなるという性格ではない。
- 人の顔がうまく思い出せない。三人めの中国人曰く「昔のことを忘れたがっている」から。
エピソード
- 小学校時代の夏休みの午後。野球の試合でセンター・オーバーの打球を全速力で追っていき、顔面からバスケットボールのゴール・ポストに激突、三回の裏に脳震盪を起こす。
日が暮れかけた頃、葡萄棚の下のベンチで目を覚ました際「大丈夫、埃さえ払えばまだ食べられる」と発した。 - 高校三年生の秋、クラスメイトの女の子に恋をしていた。彼女は偶然にも、小学生の頃の模擬テストの日、同じ学校でテストを受験していた。
参考図書
『中国行きのスロウ・ボート』