村上春樹新聞

村上春樹ファンによる
TwitterとInstagram その1
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

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うつくしい作品は、往々にして退屈。 でも、この作品は違う。 知的で芸術的で哲学的で、文句なしにうつくしい世界観なのに、ページを捲る手が止まらない。 気になる問題が絶妙なタイミングで提示され続けるという単純な理由もあると思うけど(まずタイトルからそう。色彩を持たないってどういうこと?巡礼って?冒頭も。死ぬことだけを考えて生きてるって、何があったの?その、気になる!が薄れる暇なく、最後まで続く。)、絶対それだけじゃない。 読み始めは「村上春樹読んでる!」って高揚感があるんだけど(私だけ?ブランドに弱い)すぐそういうの関係なくなって、あっという間に引き込まれる。 多崎つくるは、食が細くて酒が弱くてネガティブ。 多崎つくるは、冷静で賢く、自分の意思を貫き通す。 多崎つくるは、恋人と一定の距離をとって付き合う。 多崎つくるは、居ても立っても居られなくなると、恋人に午前4時でも電話をかけてしまう。 私から見た多崎つくる、多崎つくるが思う多崎つくる、多崎つくるに決別を言い渡した4人から見た多崎つくる、恋人の沙羅から見た多崎つくる。 きっと読む人によって、それぞれ違う多崎つくるがいる。 突然いなくなった灰田、シロの身に起こった出来事、そして最後に沙羅がするであろう話‥語られない余白がたくさんあるのは、読む人によって違う物語でいいからなんだろう。 #色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年 #村上春樹 #読書 #本 #図書館 #小説

年間100冊本を読む整理収納アドバイザー 畠山彩(@_aya027)がシェアした投稿 -