村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』によるコインロッカー・ショック

1980年7月29日。
村上龍と村上春樹の初めての対談。
この時、村上春樹がこんなことを言っている。

「伊丹十三のお父さんで伊丹万作って映画監督は、宿帳の職業のところに、かならず「山師」と書いたそうだから(笑)。」

山師???

調べてみると山師にはいくつか意味があって、そのうちのひとつに詐欺師も含まれているんだとか。
今、日本には数多くの詐欺が混在していて、その中には包茎手術詐欺なんてものもあったりするらしい。
包茎手術詐欺が具体的にどういうものかは知らないけれど、想像してみるとコミカルでちょっと面白そうですよね。

というのは前置きで、ここからが本題です。
対談の終盤に村上龍がマイルス・デイビスとリチャード・ブローティガンの話をする。
まずはマイルス・デイビスについて。

いま、ジャズのこと考えていたんですけどね。恥ずかしさを意識するかしないかの境い目は、気分の問題じゃなくて、安易な道を選ぶかどうかだと思うんですよ。
・・・・・・中略・・・・・・
なぜマイルス・デイビスが好きかっていうと、エイト・ビートやっても、シックスティーン・ビートやっても、自分にとって簡単なことはやっていないような気がするんです。

次いでリチャード・ブローティガンのこと。

ブローティガンに会って、「三作目書いてる」っていったら、彼は「うまく書くな」っていうんですよね。ウエルはよくない、オネストに書け、って。
・・・・・・中略・・・・・・
「きみは、自分の運と才能を登りつめた高い崖の上にいる。そこから先は、もう飛ばなきゃならない。落ちてもいいんだ」
– 僕はすごく勇気づけられて、書きつづけたんですよ。

この後、村上春樹は村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』を読む。
そしてコインロッカー・ショックが訪れる。