村上春樹新聞

100パーセントの恋愛小説です

「100パーセントの恋愛小説です」

『ノルウェイの森』の帯に書かれたこのキャッチコピーは村上春樹本人の作によるもの。
ほんとは、「これは100パーセントの村上春樹のリアリズム小説」と書きたかった(つまり『羊をめぐる冒険』や『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』とは性質が違う)けれど、それだと誰も読む人がいないということで却下されたらしいです。
けれど、20万部を想定していた「100パーセントの恋愛小説です」は、誰の予想をも覆してしまう。

映画『ノルウェイの森』のコピーは

「深く愛すること。」
「強く生きること。」

『ノルウェイの森』は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』や『海辺のカフカ』、『1Q84』みたいに2つの物語(『1Q84』は途中から「牛河」が加わる)の展開にはなっていないけれど、“緑”と“直子”という2つの軸という点では、これら3作品と同じ構成をしています。